葉酸の役割とは?

日本で行われた実験によって葉酸の摂取がうつ病患者の再発リスクを減少させることが分かっています。

 

元々、葉酸はセロトニンなどの神経伝達物質の合成に欠かせない物質であり、細胞の正常な発育、またDNAとRNAの合成にも必要な重要な存在なのです。

 

ちなみに葉酸(葉酸塩=Folate)は自然界の多くの食品の中に存在するビタミンBの一種であり、主にサプリメントや栄養強化食品などに用いられています。

 

葉酸とうつ病の関係を証明した実験とは?

海外では葉酸とうつ病の関係を検証した実験はあったのですが、海外と日本では食事内容なども異なることが多く、日本人を対象としたテストが待ち望まれていました。

 

検証を行ったのは国立国際医療センター、国立健康・栄養研究所、東京大学などで、正式な実験名は「栄養素摂取量とうつ症状との関連:成人日本人を対象とした横断研究」です。

 

これは日本人を対象とした葉酸とうつ病との関係性を検証する初めての実験で、対象は21〜67歳の九州地区の公務員517人。このうち全体の1/3以上の人がうつ症状とみなされました(男性36%、女性37%)

 

この結果、男性において、葉酸摂取量が増えれば増えるほど、うつ症状の人が少なくなっており、この関連は海外の実験と同様の結果で、統計学的にみても有効なものと認められました。

 

一方、女性においても、同様の関係がみられましたが、こちらは統計学的には認められませんでした。したがって、葉酸不足がうつ病リスクを高めるという結果は正しくは男性においてのみ有効となります。

 

なぜ葉酸がうつ病リスクを減少させるのかについての仮説として、葉酸の摂取量が減少すると脳内のモノアミンという物質が減少し、それによってうつ症状がでてくるの
ではないかとされています。

 

まとめ

一般的には葉酸の血中濃度が低いと、うつ病を発症する可能性が高いと言われています。また抗うつ剤による治療効果が葉酸のレベルが正常な人と同様には現れにくい可能性があります。

 

そのため葉酸サプリメントを摂取することで、抗うつ剤の効果がより有効になると言われています。しかし葉酸のレベルが正常な人と葉酸塩欠乏症の人との両方に葉酸サプリメントの摂取が効果があるかは、はっきりしていません。

 

葉酸とうつ病の関係については、今後もさらなる研究が必要なようです。

 

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