妊婦と鉄分の関係は?

妊婦に不足しがちな鉄分について貧血との関係、鉄の働き、効果、不足するとどうなるか、推奨摂取量について紹介します♪

 

妊婦貧血が起こるワケは?

妊婦の約2割が妊娠中に「妊娠貧血」を妊娠30週前後に発症します。鉄欠乏性貧血によるもので、妊娠すると体内の血液料が増加し、赤ちゃんへ血液を供給する必要もあるため、貧血を起こしやすくなります。妊娠後期になると赤血球の生成が追いつかなくなり、血が全体的に薄くなると言われています。

 

鉄分の働きって?

体内に摂取された鉄は約6割が血液のヘモグロビンになり、残りの2〜3割は肝臓・脾臓・骨髄・腸などに貯蔵されます。また鉄を吸収するには銅、コバルト、マンガン、ビタミンCが欠かせません。またコーヒーやお茶などカフェインを摂り過ぎると鉄分の吸収を妨げるので注意が必要です。

 

鉄分には2種類ある

食物に含まれる鉄分には動物性の「ヘム鉄」と植物性の「非ヘム鉄」の2種類があり、吸収率が異なります。ヘム鉄は10〜20%、非ヘム鉄は1〜6%で、ヘム鉄の方が体内に吸収されやすくなっています。

 

鉄分が不足すると?

鉄分が不足すると妊婦は未熟児(低出生体重児)を産むリスクが高まるとされています。特に妊娠初期に貧血になると未熟児や早産のリスクが高まります。

 

他にも鉄欠乏性貧血で疲れやすくなる、動悸・息切れ・めまい、皮膚がもろくなる、爪が変形する、口内炎になる、肩や首が凝る、冷え性になる、など。

 

鉄の推奨摂取量は?

厚生労働省が策定し2010年4月より施行になった「日本人の食事摂取基準(2010年版)」によると、成人男性で1日あたり10mg(上限は50mg)、成人女性の場合、1日あたりの推奨量は11mg(上限は40mg)です。妊娠初期は+2.5mg、妊娠中期・後期は+15mg、授乳婦は2.5mgがさらに必要とされています。

 

フェリチン濃度とは?

鉄分が不足しているかどうかは自覚症状がなく、潜在的に鉄分不足な女性は妊娠すると貧血を起こし、赤ちゃんの成長に影響を与えかねません。そこでフェリチン(貯蔵鉄)の濃度を測定することで潜在性鉄欠乏かどうかを調べることができます。もし足りなければ補充する必要があります。

 

鉄分を多く含む食品は?

ヘム鉄は赤身の肉、レバーなどに多く含まれ、非ヘム鉄はほうれん草やプルーン、小松菜、切り干し大根、ひじき、納豆などに多く含まれています。

 

食事から摂ろうとしてレバーを食べ過ぎるとビタミンAを過剰に摂取することになり、皮膚障害や骨密度の減少を引き起こすビタミンA過剰症になります。ビタミンA過剰症になると奇形児が生まれるリスクが高まると言われています。

 

食事から鉄を補充するのは限度があるため、現実的にはサプリメントで補給するのがベストです。妊娠をサポートする働きもあるため、ベビ待ちの方はできれば妊娠前から補充しましょう。

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